florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

2014年10月の読書メーター

2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2575ページ
ナイス数:77ナイス

恋歌恋歌感想
第150回直木賞受賞作。樋口一葉の師匠、中島歌子の半生。瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ…甘ったるい恋愛小説かと思いきや、天狗党の乱で赤沼に投獄されてからの凄惨な日々は、さながら生き地獄で手に汗握りながら読んだ。君にこそ恋しきふしは習ひつれさらば忘るることもをしへよ…一人の男性を想い通した天晴れな女性に感じ入りました。冒頭の花圃の優雅な生活も印象的だった。
読了日:10月3日 著者:朝井まかて


Gift (講談社文庫)Gift (講談社文庫)感想
調べてみたら中一の時だった。所謂バタフライナイフ事件が発生したため、木村拓哉主演のドラマ「ギフト」の再放送が打ち切られ、世間から一切封印された。記憶を失った主人公が「届ける」事に拘る原因となった出来事とは何か、由紀夫の正体は何者なのか、ついぞ分からずじまい。あれから17年。心の底に引っかかっていた疑問がふとしたきっかけで再浮上。ドラマは相変わらず封印されていたが、ノベライズの存在を知り読んでみた。17年来の謎が解けた。いい話だった。

どんなに重い罪を犯してしまった人間でも、その内面には良心があり、人生において蘇生のチャンスがある。そして、人間には「赦す」という偉大な行為がある。それが『ギフト』のメインテーマだったと飯田譲治氏が文庫版あとがきで書いている。カート・ヴォネガットの『デッドアイ・ディック』にインスパイアされたと。
表裏一体である善悪の一方だけを描ける筈もないのに、バタフライナイフの一件だけ抜き出して犯罪への影響を単純に認めてしまった当時のマスコミの姿勢が、安直な思考停止以外の何物でもなかった、と千街晶之氏も解説で断言している。
この世界の必然であるならば、あと十年〜二十年の間には封印が解かれる機会に恵まれるかもしれないと飯田氏。
17年経ってもなお結末を知りたいと思う私のような人間がいる限り、必ずやその日は訪れるでありましょう。

誤植2箇所見つけました。
そのうち一つは角川文庫版から踏襲されている。
要らぬ字が一文字入っているだけで、正反対の意味になってしまう芸術的な誤植。飯田さんに伝えたい(笑)

読了日:10月11日 著者:飯田譲治,梓河人


ギフト (角川ホラー文庫)ギフト (角川ホラー文庫)感想
小説の内容は無論講談社文庫版と同じだが、梓河人の文庫版あとがきと、カトリーヌあやこの解説(漫画)がある。この漫画で解説は必見。
読了日:10月11日 著者:飯田譲治,梓河人


フォルトゥナの瞳フォルトゥナの瞳感想
能力のせいで木山がどんな酷い目に遭ってしまうのか、工場や車に被害が及ばないかハラハラしながら一気読み。葵の言動は伏線てんこ盛りだったのでエピローグは予想通りだった。誰にも認められずに自分の命を投げ出して大勢の他人を救う事が出来るか。私には出来ない。が、小心者なので知らん顔で生きようとしてもストレスで癌になりそう。まっこと困った能力なり。バグダッドの死神の話と、人間は朝起きてから寝るまでの間に九千回も選択をしているという話が印象的だった。
読了日:10月15日 著者:百田尚樹


ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 14 (花とゆめCOMICS)ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 14 (花とゆめCOMICS)感想
木蓮が亜梨子に、紫苑が輪に同化する事を認め合う感動の章。の筈だが、いささか引っ張り過ぎの感あり。前作のぼくタマは事実が淡々と積み重なっていく中でラズロやキャーとの出会いがあり、感動させようという思惑が鼻につく事はなかった。作風が変わったのか自分の感性が変わったのか。好きな作品の続編を読むという行為は微妙だなと感じた一冊。
読了日:10月20日 著者:日渡早紀


Helck 1 (裏少年サンデーコミックス)Helck 1 (裏少年サンデーコミックス)感想
家族の推薦で購入したが、緻密なストーリー漫画を好む私にとっては最後まで読むのがツライ代物だった。
読了日:10月21日 著者:七尾ナナキ

 

 


同細胞生物。 (Craft comics (015))同細胞生物。 (Craft comics (015))感想

BL三作目。最初の二作は同じ著者だから実質二作目。どんなジャンルにも名作はあるんだなと感じさせてくれる作品だった。百田尚樹さんも言っていたけど、死ぬまでにあと何冊読めるかわからないので、この先面白い本しか読みたくない。この作品はCD化されており、声優さん達のフリートークで殆ど全員が「難しい作品だ」とコメントしていたので読んでみようと思った。当たりでした。緻密な心情描写が好き。「屋根裏郵便物語」が切ない。
読了日:10月23日 著者:夢花李


チョウになる日 (ミリオンコミックス)チョウになる日 (ミリオンコミックス)感想
「同細胞生物。」と「チョウになる日」がよかったというレビューを見てこちらも読んでみた。白黒でもパステル調の色が感じられるような柔らかな雰囲気と、儚い世界観がとてもよかった。うかの長い髪と服装・顔立ちは正直男性には見えないし、如何に病弱であろうとも息子にこういう生き方を許す親は稀有だと思う。故にマーガレット男子みたいな実在しない御伽噺として堪能した。実際のBLはもっと生々しいような気がする。知らないし理解も出来なさそうなので、夢見る少女漫画の延長としてここまでにしておきたい。
読了日:10月24日 著者:夢花李


できる大人のモノの言い方大全できる大人のモノの言い方大全感想
こんな当たり前の言い方が出来ない奴がいるのか、と呆れるほど基礎的な内容だったが、身に付ける環境に恵まれない若者にとっては必要な書なのかもしれない。著者は「なるほど」を推奨していたが、目上の人には失礼な相槌だと思う。等々、見解の相違も少々あり。業界や職種で微妙に違うしね。
読了日:10月30日 著者:

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