florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

2014年9月の読書メーター

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1798ページ
ナイス数:94ナイス

破門 (単行本)破門 (単行本)感想
第151回直木賞受賞作。映画製作の出資金を持ち逃げされた極道が回収に奔走する物語。桑原と二宮のやりとりや、ヤクザ同士の喧嘩、医者へのかかり方、詐欺の方法と金の隠し方、ギャンブルの薀蓄等、そこそこ面白かったが夢中になって読み耽る程ではなかった。シリーズものらしいので最初から読んでいれば感動するところもあったのかもしれないが、遡って読む気にはならない。オカメインコのマキは可愛かった。
読了日:9月9日 著者:黒川博行


PRIDE プライド―池袋ウエストゲートパーク〈10〉 (文春文庫)PRIDE プライド―池袋ウエストゲートパーク〈10〉 (文春文庫)感想
IWGPシリーズ第1期完結10巻目。つぎのステージで、また会おう。と言うからには第2期があるらしい。実は次の巻が既に出ているのだが、設定がどう変わっているのか心配だ。今回、氷の王様と言われてきたあの安藤崇が4話中2度も恋愛絡み!マコトにも本気で付き合う相手が出来たようだし先が楽しみだ。年収二百万円でも幸せだと思わせてくれるお伽話のような一人語り、次回もまたいい夢を見せて欲しい。
読了日:9月11日 著者:石田衣良


パラドックス13 (講談社文庫)パラドックス13 (講談社文庫)感想
ミステリーではなくSFだった。思えば東野作品には『パラレルワールド・ラブストーリー』からハマったのだった。P-13世界に飛ばされた13人の個性が凄い。大食いの太一、上司風を吹かす専務、諦めない女子高生、SF好きのヤクザ、夜這いの小峰。皆を牽引するサバイバル知識に長けた誠哉は凄いと思うが好きにはなれない。新世界のイブ提案には唖然。東京の荒廃ぶりがリアルで大雨と地震が続けば近い未来こうなるのではと本気で心配になる。1ヶ月後の揺り戻しまで生き延びたメンバーが戻れたようだが、河瀬のラストが皮肉で大変印象深かった。
読了日:9月17日 著者:東野圭吾


ワン・モアワン・モア感想
ホテルローヤル』から3冊目。人間関係の面倒臭さ、心の機微が丁寧に描かれていてのめり込んだ。大人の男女・友人・親子関係のドロドロが読みたいお年頃の私にはたまらない1冊でありました。短編集の体裁を取りながら登場人物は繋がっていて、全体で一つの物語になっているのもいい。ラストの「ワン・モア」で判明した「おでん」の結末は予想外。どの話にも感じられるメランコリーは、加良古路島や釧路湿原のような北海道の土地独特の寂寥感からくるものではないかと思った。
読了日:9月24日 著者:桜木紫乃


うどんのうーやんうどんのうーやん感想
噂にたがわぬシュールさ。梅干しはベンチにいないと思う。川を越え山を越え、一体何処まで出前圏内なのか。人手不足で自ら出前に行ったうーやん、ラストでお客さんに食べられた筈なのにまた店に居るのは何故。
読了日:9月27日 著者:岡田よしたか


キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)感想
いつもブランド物を着こなしベンツで送迎されているキングが、高校時代は2DKの団地住まいで自らシャツにアイロンをかけていたとは知らなんだ。ボクシングの難しいコンビネーション技を一度見ただけで再現出来たりは少々リアリティに欠けるが、そこはマコトの語り口でカバー。マコト、国語は得意だったのね。二人の青春編、こそばゆく感じながらも楽しませていただきました。大人編にも期待。
読了日:9月29日 著者:石田衣良

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