2014年7月の読書メーター
2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1743ページ
ナイス数:65ナイス
ペテロの葬列の感想
坂本君はいつかやらかすと思っていたが、ラストの菜穂子にはおったまげ。正直どうもスッキリしない。タイトルのように一度嘘をつきその後罪を負うという事がテーマなら、菜穂子の裏切りは不要だったのではないか。資産家の娘にしては出来た女性だと思っていたのに、所詮姫君は世間知らずだと言いたいのか。詰め込み過ぎで主旨がボケているように感じる。随所に『指輪物語』を引いて「悪は伝染する」と言っているが、杉村が滅びの山に捨てに行く負の力は閉塞感か。個人的には「人生はやり直せる」でスッキリ終わらせて欲しかった。
読了日:7月2日 著者:宮部みゆき
幸福な生活 (祥伝社文庫)の感想
日常生活における様々な罠をシニカルに描いたショートショート。ラストの一行がオチになっており、内容から結末を予測出来る話も多いが、どういう台詞で落とすか想像するのも楽しかった。全編最後のページをめくった後がオチの一行になっているのも凄い。字詰行数を合わせながら書いたのか、単行本ではどうなっていたのか、編集的な事も気になる。しかし本当に出す本全て別ジャンルの作家さんなんだなぁと改めて感服した。
読了日:7月14日 著者:百田尚樹
煙の殺意 (創元推理文庫)の感想
冒頭の「赤の追想」を読んですぐ、米澤穂信の『氷菓』を思い出した。淡々とした語り口、理路整然とした謎解きの明かし方が似ているように感じられたからだ。果たして、直木賞候補の『満願』を書く際に米澤氏がこの『煙の殺意』参考にしたという記事を読み、やはりと思ったのであった。こういう逸品に出会えた事を幸運に思う。「椛山訪雪図」はさながら芸術作品のようだ。『11枚のとらんぷ』も是非読んでみたい。
読了日:7月24日 著者:泡坂妻夫
新編 風の又三郎 (新潮文庫)の感想
又三郎も読んでいなかったので。昔のドラマで先生役の水谷豊がオルガンを弾き、「どっどど どどうど どどうど どどう」と児童達に歌わせるシーンを何処かで見たような気がする。クラムボン好き。かぷかぷ。
読了日:7月30日 著者:宮沢賢治
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