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florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

2014年6月の読書メーター

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3096ページ
ナイス数:78ナイス

神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)感想
神曲」というタイトルは森鷗外の紹介文からきていて、原題は「喜劇」という意味の「Commedia」だそうだ。当時の人物名をバンバン出し、地獄で大変な目に遭わせ糾弾するというジャーナリズム的な意味もあったらしい。知識があればもっと面白く読めたろうに残念。大食らい、吝嗇、浪費、異教異端、暴君、自殺、男色、女衒、阿諛追従、聖職売買、魔術魔法、汚職収賄、偽善、窃盗、権謀術策、裏切、何でもかんでも地獄行き。心して生きよう。漆黒の六枚羽の意味がやっと分かった。
読了日:6月6日 著者:ダンテ


読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)感想
いくら本を読んでも「どんな本だったの?」と聞かれて答えられないようでは時間をムダにしているようなものだ。記憶力とは覚える力ではなく、思い出す力なのです…同感。最近、どんな本だったかどころではなく、読んだ事すら忘れて同じ本を2冊も3冊も買う始末。なのでせっせと感想を書くのであります。でも小説は斜め読みすると肝心要の伏線を見逃す危険があるし、熟読するしかありませんよね。趣味は楽しんでナンボだと思っております。
読了日:6月6日 著者:藤井孝一


母と娘はなぜこじれるのか母と娘はなぜこじれるのか感想
著者が「対談を終えて」のコメントにも書いたように、萩尾望都さんのプライヴェートなお話が聞けてよかった。就活の学生さん、本当の「貴重なお話」っていうのは、こういう話のことなんですよーーだそうですw まあ皆さん酷い母親をお持ちで。私も機能不全家庭で育ちましたが、大して珍しい事ではなかったんだなと。また母親と距離を置きたいと思う事に罪悪感を感じなくてもよかったんだと今更ながら納得しました。母性は存在しない、精神分析的には男性は身体を持っていない、にはビックリ。
読了日:6月10日 著者:田房永子,角田光代,萩尾望都,信田さよ子,水無田気流


愛蔵版 グレート・ギャツビー愛蔵版 グレート・ギャツビー感想
ディカプリオ版に続きロバート・レッドフォード版の映画も見て、もう一度原作を読みたくなりこちらを。ギャツビーのデイジーに対する拘り方はやはり常軌を逸しているが、その一途さ故にギャツビーは読者に愛される。トム・ブキャナンの図々しさはプロレタリアートの私には相変わらず腹立たしかった。この愛蔵版には訳者の村上春樹による「『グレート・ギャツビー』に描かれたニューヨーク」というエッセイが付いている。特別な街マンハッタンに私も行きたくなった。
読了日:6月12日 著者:フランシス・スコットフィッツジェラルド,村上春樹


優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方感想
いくらなんでも関係者が都合よく集まり過ぎだろう、と思っていたら、我が主様の計らいだった事にするとか、上手いようなズルイような。あとヒント出し過ぎで序盤で全体像が見えてしまいます。ラストも予想通り。何百年も死神やってて病状まで解析出来るのにびすけえとはないでしょう。微笑ましさもしつこいと興醒め。無理に笑いを取りにいかないでほしい。簡単な謎解きを大仰に説明されると疲れる。地下室での犯人は間抜け過ぎ。とは言うものの最後まで読ませる面白さはあった。色素性乾皮症からは『屍鬼』のヒロイン沙子を思い出す。
読了日:6月18日 著者:知念実希人


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)感想
この話を今まできちんと読んだ事がなかったとは驚きだ。『注文の多い料理店』もなかなか読めなかったし、家庭の事情が原因だろうか。ようやく読めて、幻想的かつ哲学的な内容に感銘を受けた。松本零士銀河鉄道999を書きたくなったのもよくわかる。お気に入りの待受「プリオシン海岸」はこの話の絵だったのかと納得した。今回最終形で読んだのを機に、ブルカニロ博士が出てくる初期形も読んでみた。ストーリーの流れは最終形の方が納まりがいいが、あらゆる人の一番の幸福を探しまっすぐに生きていくという主旨は初期形の方が分かりやすかった。
読了日:6月22日 著者:宮沢賢治


桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)感想
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』という近頃流行りのタイトルを見て、梶井基次郎の『桜の樹の下には』と、この『桜の森の満開の下』がベースになっているのではないかと思い読んでみた。とてもよかった。安吾も『堕落論』だけじゃないんだな。満開の桜の木の下では皆おかしくなってしまう、というか、花も盛りの一瞬には生命を燃やし狂ったようになるというような、生き物のSaGaを感じた。『櫻子さんの…』は多分読まない。このタイトルを書いてみたかっただけだろうから。
読了日:6月23日 著者:坂口安吾


檸檬・桜の樹の下には (お風呂で読む文庫  6)檸檬・桜の樹の下には (お風呂で読む文庫 6)感想
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』のタイトルを見て再読。美しい桜が咲くためには死体の養分が必要だという科学的解説と、薄羽かげろうの死体の集団と合わせて生命の神秘・残酷さを狂気じみた文章で綴っている。日本人にとってやはり桜の花は特別なもので、満開の桜の樹の下では狂ったように自己を曝け出してしまう、その言い訳のように感じた。『櫻子さんの…』は多分読まない。
読了日:6月23日 著者:梶井基次郎


檸檬 (新潮文庫)檸檬 (新潮文庫)感想
得体の知れない鬱屈の中で、一個のレモンと出会った喜び。生活が蝕まれる前に好きだった丸善に入り、ふといたずら心を起こす…レモンを爆弾に見たてて現状打破を夢見たり、鮮やかな色彩が喚起される印象的な短編だ。舞台となった丸善・京都店ではレモンを置き去る人があとを絶たなかったそうである。その丸善が2009年に発売した創業140周年記念限定万年筆「檸檬」を私は所有している。ボディは鮮やかなレモンエロー。新潮文庫版『檸檬』がセットになっていた。我が家には一体何冊『檸檬』があることやら。
読了日:6月24日 著者:梶井基次郎

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