florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

2013年の読書メーター

2013年の読書メーター

読んだ本の数:106冊

読んだページ数:28111ページ

ナイス数:1108ナイス

http://book.akahoshitakuya.com/u/34422/matome_y?invite_id=34422

 

■青い城 (角川文庫)

母親や親戚にドスと呼ばれ、不本意な人生を強いられてきた29歳のオールドミス・ヴァランシーは、心臓の病で余命1年と宣告され、もう誰にも遠慮せずに生きようと決心し家を出る。自分の価値観をしっかり持って周囲に流されず生きるという事の素晴らしさが、バーニィと暮らす青い城の美しい情景と共に生き生きと描かれている。アンは苦手だったけど、このお話は共感できた。自分の人生は自分のものであり、自分の責任だと改めて思った。オールドミスという昔の表現が新鮮。バーニィの正体は予想通りだった。

読了日:1月2日 著者:モンゴメリ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/24888540

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 01月号 [雑誌]

仕事に就きにくいのは不況のせいばかりではなく仕事自体が少なくなっているとは薄々感じていたが。一方人材不足で仕事が少人数に集中している所もあるので、適材適所に人を配置する体制が必要だと思うけど、癒着の温床になるんだろうか。難しい事はわがんね。

読了日:1月6日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25006458

 

不思議の国のアリス (河出文庫)

沢山の訳本を読んできた。『地下の国のアリス』も所有している。幼児時に舞台を観て、その不思議なストーリーに魅せられて以来アリスのファンだ。私のファンタジーの原点。ギリシア神話も好きだったけど。評判の河出文庫版。紙が良いのでテニエルのイラストが細部まで美しい。文庫サイズのモノクロ絵本という感じ。注釈が該当ページの下部にあるので参照しやすい。内容も丁寧で分かりやすかった。子供の頃からの思い込みやごちゃごちゃしていた記憶をスッキリ整理出来てよかった。チェシャ猫は「チェシャー・ネコ」と表記されていた。

読了日:1月9日 著者:高橋康也,高橋迪,ルイスキャロル,LewisCarroll

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25087431

 

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

うら若き女性のバリスタがハンドルミルをコリコリコリと回しながら推理し、「たいへんよく挽けました」と解説する。その設定は面白いけど、肝心のミステリがお粗末。取るに足らない日常を大事件に仕立て上げるが如くしつこくダラダラ解説されると、読んでいてツラくなる。ギミックもわざとらしくて感動出来なかった。ビブリア古書堂と入間人間のブレンドみたいで二番煎じ感が強く、せっかくのアイデアも色々残念。

読了日:1月17日 著者:岡崎琢磨

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25298336

 

■ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

タレーランを読んだ直後だったせいか、大変わかりやすかった。ロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』は私にとっても思い入れのある作品だ。竹宮惠子の『私を月まで連れてって!』のヒロイン、ニナ・フレキシブルはたんぽぽ色の髪をしている。16歳の時に四次元生物ガイアに時空を飛ばされ、宇宙パイロットの最終試験に向かう若きダン・マイルドと出会い恋をする。そして戻ってから赤ん坊の自分に語りかけ、やがて出会う17歳上のダンへの思いを伝えていく…この大好きなお話はたんぽぽ娘がベースになっているのだよ。関係ない話でスマン。

読了日:1月18日 著者:三上延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25342740

 

■球体の蛇 (角川文庫)

あっぱれナオさん。好きな男の子供を産むためにはこれ位の覚悟と度胸が必要なんだとしみじみ。でも真相が二転三転する書き方のせいで、インパクトは今ひとつだった。やはりどんでん返しはドカンと一発決めて欲しかったなと。あと最後まで真相をうやむやにしたのも残念。いい人の余地なんて残さなくていいじゃない。私は『白夜行』の雪穂が好きだよ。さて、一体自分はどんな話を読みたいのか、ますます鬼畜な読者になってきたことよ。

読了日:1月23日 著者:道尾秀介

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25503682

 

■私の場合は、山でした! 女一匹フリーター、じたばた成長物語

頭でっかちで出不精な私は、気分を変えたいと思っても連れ出してくれる人がいなければ何も出来ず、日々鬱々とくすぶっていた。が、ある日『悩んだときは山に行け!』を読んで登山を思い立ち、また『あした、山へ行こう!』や『ひとり登山へようこそ!』は面倒になりがちな登山のハードルを低くしてくれた。少しでも多くの人達に山の良さを伝えたいという思いが常に溢れる著者のエッセイ。今回は山を思いながら生きてきた人生のお話。さて私の場合は何だろう。なりたい自分になるために、本当に自分が求めるものをしっかり見つめていかなきゃね。

読了日:1月26日 著者:鈴木みき

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25571216

 

■花宵道中 (新潮文庫)

R-18文学賞受賞作。買った経緯は忘れたが、冒頭を少し読んだら吉原の話だったので、あ、これ苦手、と暫く積んでおいた。今回積読消化月間で渋々読み始めたらみるみる引き込まれた。これは面白い!やはり食わず嫌いはイカン。短編集のようだが連作で、様々な視点から女達の生き様が浮き彫りにされる。客に五文銭を投げつけた朝霧の啖呵にはみな快哉を叫んだのではあるまいか。三津の「生きてゆくのは、諦めちまえばそんなに辛くないよ」が心に沁みた。嶽本野ばらの渾身の解説も必見。

読了日:2月5日 著者:宮木あや子

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25878567

 

■紅葉街駅前自殺センター

自殺センターが合法化された社会。主人公に自殺を決意させた過去の出来事とは何か?白い夢は何を意味するのか?連続切断魔の正体は?主人公は5回の面接で自殺を思いとどまれるのか?という疑問で最後まで興味深く読めた。人は何のために生きるのかという永遠のテーマの斬新な切り方に脱帽。主人公が切断魔の被害者の夢を何故見たのかはいまだに分からない。思いとどまる理由は予想通り。

読了日:2月13日 著者:光本正記

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26123687

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 02月号 [雑誌]

習慣は上書きできるという記事が面白かった。きっかけ・アクション・ご褒美で実践。

読了日:2月14日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26145351

 

■アミダサマ (新潮文庫)

主婦、僧侶、会社経営などを経て作家デビューした異色の経歴を持つ著者独特の仏教論。のように思えた。浄鑑の住む田舎町が邪悪なものにじわじわ蝕まれる様は、小野不由美の『屍鬼』(まだ3巻の途中だが)を思わせ、怖いのに目が離せない。千賀子の最期はあっぱれであった。仏に仕える浄鑑が、銀河に思いを馳せる一個のバクテリアで充分だ、と考えるシーンに共感。

読了日:2月19日 著者:沼田まほかる

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26302248

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 03月号 [雑誌]

世界のMUJIは「クラシック」でござったか。

読了日:2月23日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26415551

 

屍鬼〈3〉 (新潮文庫)

ついに明かされた屍鬼側の事情。夏野は元に戻れるのか、かおりと昭も襲われてしまうのか。頭の堅さ故に後手後手に回る大人達は実に不甲斐無いが、起き上がりに気付いていながらこの期に及んで屍鬼狩りに二の足を踏む静信には憤りを感じる。頑張れ敏夫!

読了日:2月26日 著者:小野不由美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26517694

 

■ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

往復の通勤電車内でほぼ読了。相変わらず読みやすい。今回は江戸川乱歩がテーマ。薀蓄満載でマニアにはたまらない内容だったのではないか。なんてことより、ようやく五浦君が栞子さんに告白、これに尽きる。今回の話は震災後の設定だったが「人間、明日どうなるか分からないでしょう。今したいことしておかないと、悔いが残るって思ってるのよ。」と邦代にも言わせているように、明日も傍に居られるとは限らない、と五浦君も気付いたようで何よりだ。母親との行く末も気になるが、篠川智恵子の能力をあまり神格化されすぎてもリアリティがなくなる。

読了日:2月27日 著者:三上延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26545095

 

■堕落論 (新潮文庫)

確認したいことがあって再読。もう何回読んだかわからないけど、相変わらずテンポの良さが心地よい。愛妻家の平野謙氏はそのうち奥方と一戦交えて包帯ぐるぐる巻きになります。

読了日:3月1日 著者:坂口安吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26591545

 

■さよならドビュッシー (宝島社文庫)

面白かった!流石「このミス」大賞受賞作品。終盤で明かされる大規模なトリックは、普段なら容易に想像出来るありがちな内容なのに、ピアノ演奏シーンの卓越した描写や皮膚移植のリアルさに覆い隠され、ついぞ思い至らなかった。いつも裏の意味ばかり探りながら読む私としたことが、してやられてしまったよ。探偵役の岬洋介の特異なキャラも大変魅力的だった。これはシリーズで読みたい。

読了日:3月6日 著者:中山七里

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26746505

 

■境遇

【ネタバレ注意】出来るだけぼかして書きますが、分かってしまったらごめんなさい。ラストが甘くてちょっとガッカリでした。優位な立場と信じていた晴美が真実を知って、あんなに落ち着いていられる訳がない。お門違いの行動で羞恥にまみれないのか。境遇に絶望しないのか。母親を憎まないのか。いつもの湊かなえなら、もっと負の部分をこれでもかこれでもかと見せつけた筈。結局誰も償わず、うやむやに終わってしまった感があり不完全燃焼でした。

読了日:3月12日 著者:湊かなえ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26939342

 

■茶箱広重 (小学館文庫)

昔「ほっぺたの時間」を読んだことがあり、もう一度読みたくて古書を購入。それが出てきたので再読の再読。人間の深部をえぐり出すような作品の数々に、なんというか、人生しみじみ。

読了日:3月17日 著者:一ノ関圭

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27072476

 

彼氏彼女の事情 (21) (花とゆめCOMICS)

片付け中についまた読んでしまった。あさぴんだけが一人のまま卒業で気になっていたら、やっぱりね。よかったよかった。私も「あー面白かった」と言って死にたい。

読了日:3月17日 著者:津田雅美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27073124

 

■ツナグ (新潮文庫)

死んだ人に生涯一度きり、一人だけ会わせてくれる仲介人の使者(ツナグ)。概ねいい話ばかりだと思っていたら「親友の心得」の嵐と御園の壮絶な闘いにぶっ飛んだ。これはこの話がメインだなと思いきや、実は使者の歩美自身が主役であった。死者は残された者のためにあり、残された者はその死を背負う義務を負うという事を、使者自身が悟るためのエピソードだったという構成が素晴らしい。さて私は誰と会いたいんだろう、と読んだ誰もが考えたに違いない。

読了日:3月19日 著者:辻村深月

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27143097

 

バルバラ異界 (1) (flowers comics)

「最初さらっと読んでしまったが、再読したら全然解釈が違っていた」と家族が言っていたので自分も再読。2003年7月20日初版第1刷発行、2007年2月25日第5刷発行。6年前に買ったものだろうか。家族が別途保管してくれていたので概ね良好な保存状態。

読了日:3月23日 著者:萩尾望都

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27250203

 

バルバラ異界 (2) (flowers comics)

2004年4月20日初版第1刷発行、2007年1月25日第4刷発行。萩尾望都のSFはレイ・ブラッドベリのような少年ぽい不思議さやロバート・F・ヤングのような懐かしいロマンがあって好きだが、それに加えて取り返しのつかない寂しさと残酷さというか、強烈な喪失感を伴う甘さが感じられて独特の陶酔感を味わえるので中毒になる。

読了日:3月23日 著者:萩尾望都

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27250215

 

バルバラ異界 (3) (flowers comics)

2005年1月20日初版第1刷発行、2006年1月25日第2刷発行。7年間眠り続け、2052年に2150年の未来の夢を見る青羽、夢に入り込むプロの夢先案内人の渡会、結晶化した心臓を食べることにより記憶を引き継ぐ家系のエズラ。一族が持つ老化の病を治そうとエズラは若返りの薬を作る…久しぶりに読んでも興味深い内容だ。

読了日:3月23日 著者:萩尾望都

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27250222

 

バルバラ異界 (4) (flowers comics)

2005年10月20日初版第1刷発行、2007年2月25日第3刷発行。渡会は息子のキリヤを助けようとして、逆に永遠に失ってしまった。行ってしまったキリヤは実の息子ではなく、手元には実の息子が無事に戻ったのに、実はタカだった最初のキリヤを取り戻したいと願った。血の繋がりだけではないんだ、という陳腐な感動も、ハッピーエンドにはしてもらえずもどかしさが残る。上手く言えないけど、この寂しさを味わいたいのかもしれない。

読了日:3月23日 著者:萩尾望都

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27250232

 

■小鳥たち (新潮文庫)

先日発掘された未読本を消化。買った経緯は三浦しをんさんの紹介だと思われる。「フランス映画の原作本です」って顔をしてレジの書店員に堂々と出せるエロ本として解説されていた。けっこう実用的だとか(笑)。詩人の著者が大金持ちのご老人に依頼されて生活のために書いた官能小説集らしいが、何というか、どれもアブノーマルであまりエロチシズムは感じられなかった。宮木あや子の『花宵道中』の方が実用的だと思う。

読了日:3月27日 著者:アナイスニン

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27373092

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 04月号 [雑誌]

A.自分を信じ、明確な目標を設定して努力すれば、どんなことでも達成できる。B.チャンスに備えて準備をし、チャンスを見極めて行動すれば、どんなことでも達成できる。→Aを選ぶ人が多いが、これでは努力すればなんでもできる、になってしまう。自分が最大限に努力してなんとか達成できるレベルはどのくらいなのかを見極める直感を養いなさい、ということらしい。ケネディは戦略的直感でアポロ計画を進めたそうな。こういう記事を読むとますます自分の凡人ぶりを自覚するね。

読了日:4月3日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27567922

 

屍鬼〈4〉 (新潮文庫)

一番冷静に対処していると思っていた医者の敏夫が正志郎にしてやられ、恭子を実験材料にして殺したと静信になじられる。知らぬ間に村は屍鬼たちに侵食され、残り少ない住民に事態を説明しても誰も信じようとせず、八方塞がりで孤立していく。全てを知りながら自らの手を汚したくないと逃げる静信には怒りを覚えるが、静信が屍鬼の存在をどう納得していくかという事が、静信の書く人間の原罪に関する小説と共にメインテーマなのだろう。実に歯痒い。夏野は起き上がっているのか、昭は無事なのか、失踪した信明の役割は。最終巻が気になる。

読了日:4月4日 著者:小野不由美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27580118

 

■時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤングの『時が新しかったころ』収録。1961年の『たんぽぽ娘』より後の作品だろうなと思ったら、はたして〈イフ〉1964年12月号に発表された作品だった。骨子は同じだが、マシンや異星人、アクションが緻密な分SFらしさが増している。更に書き伸ばされて、長編Eridahn(1983)になっているそうな。歴史は初めから決定されている、過去は変えられない、未来を知ろうとするのは愚かな事だ、というのが彼の主張だが、時を超えたロマンスは永遠に不滅らしい。

読了日:4月4日 著者:R・F・ヤング他,ジャック・フィニイ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27587524

 

ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 12 (花とゆめCOMICS)

【ネタバレすみません!】紫苑が消えて泣き濡れる木蓮が、亜梨子の身体を借りて「『夫婦』だとあの時言うしかなかったわ」と月の独房でのいきさつを訴えるのを見て、前作でのあれこれをしみじみ思い出した。亜梨子のお腹にいる二人目の子供が紫苑に似てくるシーンは泣けるね。チビ紫苑がラズロやキャーと幸せに暮らした時間が短すぎて宝石のように輝いてしまうよ。

読了日:4月7日 著者:日渡早紀

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27681626

 

男子高校生の日常(5) (ガンガンコミックスONLINE)

毎度家族が買うのでもったいないから読んでいる。正直あまり面白くなくてお金の無駄だと思っていたが、この巻はなかなか面白かった。創立記念日に登校した二人や鍵がなくて家に入れない父子や真剣な缶ケリとか。あと部活を転々とする度に学習していく男子もいい。女子ネタは相変わらずつまらないので作者の経験のなさが伺える。

読了日:4月7日 著者:山内泰延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27683597

 

男子高校生の日常(7)(完) (ガンガンコミックスONLINE)

この巻は女子ネタが多くて今ひとつ。不自然というか、そこじゃないだろうという感じかな。タダクニの大掃除は面白かった。この巻で最終なんですか?お疲れ様でした。なんだかんだでズババババーンと面白かったですよ。男子高校生よ、残念であれ。

読了日:4月7日 著者:山内泰延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27684407

 

男子高校生の日常(4) (ガンガンコミックスONLINE)

ブクログ見たらこの巻は読んでいなかったようなので。相変わらず女子ネタがちょっと。「男子高校生と地面」が面白かった。雪で滑って転ぶだけで何故こんなに笑えるのか、自分が壊れてしまったようで怖い。あとカバーの著者近影(?)が逆さまなのは何か意味があるのだろうか。なんだかんだであと6巻が届けば全巻読んでしまうとは我ながら驚き。

読了日:4月7日 著者:山内泰延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27685253

 

屍鬼〈5〉 (新潮文庫)

ついに敏夫までやられたかと暗澹たる思いでいたら、なかなかどうして大した役者先生だった。ついに村人は屍鬼の存在を認め反撃に出る。もう残り少ないと思っていた村人がどこからこんなに集まったのか、老若男女一致団結して屍鬼を狩る様は壮絶だった。静信は自分達の命を脅かす屍鬼を狩る事に最後まで疑問を感じていたが、沙子を守るためにはためらいなく大川を殺した。自分が生き長らえるための殺人に対して静信や沙子のように罪悪感を持つか、恵や大川のように当然だと思うかがこの小説のテーマだったのだろう。

読了日:4月10日 著者:小野不由美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27766344

 

■放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

女子高生。男と付き合っている。ふしだらとは違う。集団の中にいても流されない。自分の考えをしっかり持っている。親の離婚を経験しているーーそういう若いけれど中身はしっかり大人な女の子が著者の作品にはよく出てくる。語り手となる「私」が、そういう大人な友達や先輩の女の子に憧れつつ、成長して最後には自分の恋愛を手に入れる、感性溢れる短編集。高校の時に読みたかったな。私もこういう大人な子になりたかったけど、残念ながら完全にその他大勢のガキンチョだったよ。毎度ヒロインのお父さんカッコ良すぎ。

読了日:4月14日 著者:山田詠美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27855864

 

男子高校生の日常(6) (ガンガンコミックスONLINE)

とうとう全巻読んでしまった。映画化されるらしいけど、このノリを実写で出せるのだろうか…「男子高校生とフランクフルト」が面白かった。

読了日:4月18日 著者:山内泰延

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27983299

 

■虚像の道化師 ガリレオ 7

月9で「ガリレオ」のドラマが始まり、第1話は間に合わなかったが慌てて原作を入手した。「幻惑す(まどわす)、心聴る(きこえる)、偽装う(よそおう)、演技る(えんじる)」の4編収録。次作の『禁断の魔術』に比べて本作は巷でさほど評判が良くなかったと聞き、あまり期待しないよう自分に言い聞かせながら読んだが、予想外に面白くて嬉しかった。ミステリーとしてはトリックに意外性が足りないという事なんだろうが、いつにも増して心理劇が秀逸なのが私には重要なのであった。人間が書けていなければ台無しなのだよ、ヘイスティングス君。

読了日:4月20日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28014846

 

■マーガレット 2013年 5/5号 [雑誌]

別冊ふろくの「ベルサイユのばらエピソード」が読みたくて購入。16pって短い。というか、ベルばらホントにマーガレットに連載されてたのか? 現在連載されている他のマンガとレベルが違いすぎて今の読者層に疑問を感じる。

読了日:4月20日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28023644

 

禁断の魔術 ガリレオ8

「透視す(みとおす)、曲球る(まがる)、念波る(おくる)、猛射つ(うつ)」の4編。双子のテレパシーを扱った「念波る」にもしてやられたが、やはり内容もボリュームも最後の「猛射つ」がメイン。間違いなく今期ドラマの最終話はコレになるだろう。アニメの影響もありレールガンだけでもインパクト大だが、湯川が「禁断の魔術」の使用を是とするか否かが帯にもあるように最重要事項。結末には概ね満足したが、件の代議士とその行動を指示した秘書に天誅が下らなかったのが心残り。にしても理系出身で人の心理まで細やかに描ける著者は反則だわ。

読了日:4月22日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28079070

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

主人公が何を思って行動しているかが細やかに描かれており、共感出来るところは多い。村上春樹にしては不思議さ控えめな話だった。相変わらず伏線が回収されずに未完の印象が強い。沙羅との結末が書かれていないのはいいとして、灰田の話が尻切れとんぼなのは中途半端すぎやしないか。彼もまた自分の中につっかえているものごとのひとつなのだと傍点まで付けていたのに。読者に考える余地を残す自由度の高い作品の方が好きだと言う人もいるだろうけど、私は伏線をしっかり回収して収束する作品が好きです。すみません。

読了日:4月24日 著者:村上春樹

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28131184

 

■夢幻花(むげんばな)

面白かった!日本刀のプロローグ1と中学生の初恋騒動のプロローグ2が、今後どう繋がっていくのかと思っていたら、黄色いアサガオ・水泳・ロックと予想外の展開で読ませる読ませる。またしても私は名探偵になれませんでした。若い二人は本当によくあそこまで調べたなぁと。そして全ての伏線が見事に回収され「そうだったのか!」と納得する時の快感。やめられまへんなぁ。最後には前向きに生きようとする若者の爽やかさと、タイムリーに原発への取り組みを考えさせるおまけ付き。恐れ入りましてございます。

読了日:4月26日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28193038

 

■R.P.G. (集英社文庫)

面白いと勧められたが、レビューを見ると酷評だらけ。さてどうなのか自分で確かめるべく読んでみた。私は面白かった。作品内の家族ごっことまではいかなくてもネット上の人間関係に癒しを求める人は多いのではないか。そういう人が読めば、多分面白い。さて彼が虚構の世界で癒されている間、実際の家族は何を思っていたのか。また実の娘や妻に求めるものは何だったのか。深く考えさせられた。地の文に真実と違う記述が含まれるのは確かに反則かもしれないが、最後に驚かせてもらったので満足。タイトルの真の意味を最後に知るのは模倣犯と同じ。

読了日:5月1日 著者:宮部みゆき

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28353147

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 05月号 [雑誌]

【印象に残った記事】世界中が高齢化に突入していくなか、その問題に一番早く対応することで、世界の先頭に立てる。日本に残る人は、高齢化社会を見据え、おじいちゃんおばあちゃんと対話をする。英語より敬語です(笑)。◇日本には、心地いいと感じるものにこだわり続ける“ガラパゴス化”という現象がある。役所はファックスを好むが、それは承認印を押す事務手続きを紙で行うためだと専門家は指摘する。日本の高度成長期を生きた世代はファックスを手放そうとしないのだ。◆日本を牽引する筈のお上が「お役所仕事」と言われるザマでどうするよ。

読了日:5月2日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28365997

 

■ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア

寝ぼけて消しちゃったみたいなので再登録。ダース・ヴェイダー卿の子育て奮闘記。おしゃまな娘にお父さんタジタジ。思春期の娘の行動にヤキモキ。ハン・ソロ逃げてー! パロディ満載で楽しすぎる。デス・スターも軽々破壊するレイア姫の成長が眩しい。

読了日:5月3日 著者:ジェフリー・ブラウン

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28423589

 

■マタニティ・グレイ

なんだ石田衣良って女だったのか。と思えるほど妊娠した女性の気持ちがリアルに描かれていた。特に職場でどんどん不利になっていく様が。少子化をなんとかしろと大騒ぎする割には、相変わらずこの国は女性が働きながら子供を産める環境を整えようとしない。残業や徹夜が当たり前の中小出版社編集部で、こんなに事が上手く運ぶ訳がない。だから夢物語だとは思いつつ、妊婦の仕事を横取りしようとする男が失敗するシーンでは「本村ざまあ」と呟いてしまったよ。男性にも読んでもらいたいけど、まあ読んだとしても所詮他人事としか思わないんだろうな。

読了日:5月8日 著者:石田衣良

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28570884

 

■パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100

直径は小さくて厚みのある正統派パンケーキが好き。分厚いのがフルヘッヘンドに積み重なっているモノを求む。鎌倉のイワタコーヒーには是非行きたい。

読了日:5月9日 著者:トミヤマユキコ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28575350

 

■あこがれの名山 マイカーでらくらく山あるき

駐車場情報が充実しているのがよかった。もう少し小さい版の方が見やすいし、大型本は開いた状態を支えるのに力が要るので頻繁に見る気が失せてしまう。

読了日:5月12日 著者:中田真二

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28686952

 

■姉の結婚 5 (フラワーコミックスアルファ)

別れて別々の生活をしながらも、お互いを思っているの章。一途な二人が大変好ましい。真木先生が結婚したのはお父さんの借金のせいなんだろうけど、たまたま相手がヨリに似ていたというのは出来すぎかな。二度と会う事はないと思って結婚したら、途端に会っちゃったりするのよね。人生色々。天野が酔いつぶれて真木と二人でホテルに泊まるシーンは面白かった。

読了日:5月12日 著者:西炯子

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28692720

 

■流星の絆 (講談社文庫)

突然両親を奪われ施設に入れられた兄妹3人が、社会に出る時期がそれぞれ違ってもバラバラにならず団結して生きていく姿に心打たれた。好きな男を騙さなきゃならんとはツライね。偉かったぞ、シー。偶然ドラマの最終回を見てしまっていたので犯人探しの楽しみはなかったけど、それでもはらはらドキドキした。アリアケのハヤシライス、是非食べてみたいです。丸善の早矢仕ライスもオススメ。

読了日:5月14日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28746849

 

真夏の方程式 (文春文庫)

切ない。『容疑者Xの献身』と同じく、身を挺して愛する者を守り抜く男がまた一人。その男を唯一理解し助けようとする元刑事の行動が更なる悲劇を生む。絡み合った人間模様を物理学をもって解き明かすガリレオはつくづく稀有な存在だと思う。真夏の美しい玻璃ヶ浦の海を舞台に、偏屈な少年にハカセと呼ばれながら、ペットボトルロケットの実験で科学の面白さを教える姿が印象的。東京組の草薙と内海の足を棒にした捜査ぶりも見事だった。暴くだけをよしとせず、将来ある若者に真実を託した、一幅の絵のような物語であった。

読了日:5月17日 著者:東野圭吾

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■High and dry(はつ恋) (文春文庫)

発掘された積読本を消化。14歳の大人びた女の子が、プロの芸術家である大人の男性に恋をする物語。育ち盛りの一番家庭を必要としている時期に仕事に走った父親をずっと悲しく思っていたが、実はお父さんのせいじゃなくて自分の幼い心のせいだったんだ、と気付くまでを、二人一緒に精霊を見たり個展に行ったりハーフのお母さんの家を訪ねたりメルヘンチックに語る。このお話が一番好きだ、と言える人は、きっと幸せな家庭に育ったんだろうなと思う。ほつみさんがキュウくんから逃げ出した話にはいたく共感した。

読了日:5月21日 著者:よしもとばなな

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28942181

 

■リトル・クラウド

「美少女東大生の力作!」という帯に惹かれて読んでみたが、中高生を読者層にイメージしたのか、設定が甘くてリアリティが全く感じられなかった。幹太と真実の父娘関係もあり得ないが、まがりなりにもトップ企業たるものが、社外秘をべらべら喋る人間を重要なポストに置く訳がないだろう。都雨子(とうこ)は『テロリストのパラソル』の塔子をもじったのか?因みに著者は本名だそうである。キラキラネーム万歳。テーマは夢ですか。若いっていいわね。

読了日:5月22日 著者:星野聖良

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28968764

 

■謎解きはディナーのあとで 3

疲れているせいか、今回は謎解きがピンとこなかった。無理やり感があると感じたのは気のせいか。元気な時に別解がないか考えてみよう。風祭警部は今回で退場。それともシリーズ自体が終了?と思わせる最終話だったけど、是非続けて欲しいものです。これだけ推理が簡単すぎてもつまらなくならないミステリも珍しいと思うので。

読了日:5月29日 著者:東川篤哉

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家族ゲーム (集英社文庫)

ドラマを見て、一体何が言いたいのかさっぱり分からず原作を読んでみようと思った。原作の吉本先生はあっさり撤退する。結局家庭の中で親に与えられた役割をロールプレイングゲームよろしく演じているだけでは変われないよ、という事だと思う。ドラマでは今日、櫻井翔演じる吉本先生が「悔しかったら、ちゃんと家族になってみろよ!」と怒鳴ってた。余談だが親父の時の吉本先生は松田優作だそうである。巻末の高橋源一郎氏の解説が小説のリズムについての話で興味深かった。

読了日:5月29日 著者:本間洋平

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29162670

 

■学問 (新潮文庫)

山田詠美の作品では米軍基地の男と付き合うビッチな女性がお馴染みだが、この小説は静岡県美流間市の方言丸出し純日本風男女が主人公だ。仁美が七歳の時に知った儀式が高二のある日自慰へと変わるまで、性を学習していく様子が細やかに描かれており、グループの皆がひたむきに自分の人生を全うしていく姿に真摯な気持ちになってしまった。死んじゃえ、と言う時には絶対死なないのに、死んじゃあ嫌だよ、と言うと死んでしまうんだね。妻は桃子ではなく仁美であって欲しかったが、特別過ぎてそうなれなかったのも分かる気がする。

読了日:6月4日 著者:山田詠美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29317115

 

■タイニーストーリーズ (文春文庫)

表紙の絵さながらに色とりどりの飴玉のような21話からなる短編集。安定の「GIと遊んだ話」は(一)が印象的。羅紗緬、勉強になりました。あとは「百年生になったら」が面白かった。私もあれくらいエネルギッシュに生きていきたい。「モンブラン、ブルーブラック」は先が読めてしまうけど万年筆好きにはたまらない作品。「クリトリスにバターを」は村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の第一稿タイトルを許可を得て使用したとのこと。そちらも再読したくなる。何にせよ、相変わらず山田詠美の小説は読んだ後に米語を勉強したくなってしまうよ。

読了日:6月6日 著者:山田詠美

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■聖女の救済 (文春文庫)

『容疑者Xの献身』に比べて不評だったと聞いていたが、十分面白いではないか。これまた一気読みしてしまったけど、ちょうど来週のドラマでやるそうなので滑り込みセーフというところか。ラストで明かされる鮮やかな叙述トリックにうっとり。驚愕のトリックと呼ぶにふさわしいとは思いつつ、いざという時にちゃんと機能するのか疑問に感じた。ネタバレしそうでこれ以上は書けないが、草薙刑事の心中お察し申し上げます。ドラマの予告編ではずいぶん原作と違った感じだったけど、岸谷クンでは無理もないか。残念。

読了日:6月10日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29483291

 

■ダース・ヴェイダーとルーク(4才)

プリンセス・レイアと順序が逆になってしまったが、元祖スター・ウォーズ子育て編は健在だった。さしものヴェイダー卿も4歳の息子にはかなわない。映画と同じ台詞でかくれんぼとか笑ったw ルークもハン・ソロとは遊ばせてもらえなかったのね。

読了日:6月13日 著者:ジェフリー・ブラウン

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29552543

 

■憤死

「トイレの懺悔室」が怖かった。結局現在の親父がどうなっているのか分からないままで怖さがエンドレス。「憤死」と「人生ゲーム」はなかなかいい話だった。

読了日:6月17日 著者:綿矢りさ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29661904

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 06月号 [雑誌]

世界に通用する「教養」を身につけよう。の記事が面白かった。◆断片的な知識を積み重ねただけでは単なる博識に過ぎず、総合的な知「教養」にはならない。断片的な知識をつなげて体系的な「物語」にする能力が必要。教養とは「学術的な『知』を生活と結びつけて活用する能力」といっていいかもしれない。◆大人になってからの学び直しは、「何が自分に欠けていて、どうすれば埋められるのか。それにはどのくらい時間がかかるのか」と意識することで、学生時代と比べて“ショートカット”することが可能。

読了日:6月19日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29699345

 

■2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2ページ程度の問題文の中に必ずヒントが含まれており、答えもすぐ確認出来るので、空き時間に気軽に頭の体操が楽しめて良かった。ハレジアン博士が美貌の女性オクタヴィアとディナーに出かけ、空腹にキレそうな彼女にお構いなしにオーダーもせず事件の話を展開するシチュエーションがお気に入り。あとプレイボーイの失敗談も。こういう超短編集を読むと長編が恋しくなりますね。

読了日:6月21日 著者:ドナルド・J.ソボル

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29752429

 

■もっと2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

今回はあまり日本に馴染みのない雑学によるところが多かったせいか、分からない問題が沢山あった。まあ雑学書だと思って読めばいいのかもしれない。超短編集を2冊続けて読んだので、切に長編が読みたい。

読了日:6月26日 著者:ドナルド・J.ソボル,武藤崇恵,DonaldSobol

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■まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

多田と行天とのやり取りが面白かった。最初多田はずいぶん我慢強い男だなーと思っていたが、迷惑をかけられる事が癒しになる場合もあるんだなと。正直、多田の過去はもっと凄いものかと思っていた。あと行天の親との事情も、結局語られなかったので欲求不満。凪子の「愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」が沁みた。その通りだと思ふ。

読了日:7月3日 著者:三浦しをん

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30066156

 

■イニシエーション・ラブ (文春文庫)

最後の2行で全く違った物語に変貌するというカバー解説。確かに。が、最初から疑ってかかるわ意地悪く読むわで、side-Aのマユの積極的なアプローチ・便秘一泊入院・バージン疑惑で先が読め、side-Bのハードカバー本の山で時系列を把握。JRの件は気付かなかった。巧みなミスリードに脱帽。誰にとってのイニシエーションだったのか考えさせられるタイトルもナイス。それにしても通過儀礼とか皆自分に都合の良い理屈を恥ずかし気もなく展開するなと。恋愛なんてつくづく幻だと思う。解説の都こんぶには爆笑した。

読了日:7月5日 著者:乾くるみ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30135989

 

鈴木みきの 山の足あと

編集部が用意したという冬山フル装備で雲取山に立つ可愛い姿から、ハーネスつけて大キレットを越え槍の穂先に立つまで。娘の成長を見るようでお母さんは嬉しい。MAPイラストの細かい所まで楽しませていただきました。\うしー/ とか膝が爆笑とか。登山は永遠に初心者の私ですが、諦めずに歩いていきたいです。サポートタイツ1枚で闊歩する外人男性を高尾山で見かけた時は私も目のやり場に困りました。

読了日:7月6日 著者:鈴木みき

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30143214

 

■和菓子のアン

個性派キャラが魅力的。大福みたいに可愛いヒロインと乙女男子のやり取りが面白くてサクサク読めた。元ヤンの鮮やかな接客も痛快。店長は非の打ち所がない女性かと思いきやファッションセンスが(笑)和菓子の知識がほとんどなかったので大変参考になったし、デパ地下の裏事情も垣間見えて楽しめた。

読了日:7月10日 著者:坂木司

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■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 07月号 [雑誌]

「じつは、日本人はチームワークが苦手です」は面白かった。日本の組織はチームではなく、上司が決めたことをきちんとやるだけのグループであると。大切なのはダイバーシティとコミュニケーションだそうだが、確かに日本人はそれらを避けようとする傾向がある。◆「結局、女は専業主婦がいちばん幸せ」にはガッカリ。まあせっかくの美味しいトコ取り男社会だから壊さないように洗脳しなきゃね。

読了日:7月16日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30395498

 

丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)

私が十二国記シリーズを読み漁ったのは2009年の3月。今の完全版が出る前のホワイトハート版を全巻大人買いしてアニメと共に夢中になった。麒麟となった自分が彼の人の足元に跪き「天命をもって主上にお迎えする」と口上を述べる様を何度も夢想する馬鹿丸出しぶりであった。あはは。新刊を心待ちにしていたが、今回の四話からなる短編集は当時の感動を鮮やかに蘇らせてくれた。何というリアリティ!「青条の蘭」では苗が無事王に届くかハラハラして頁を捲るのがもどかしかった。陽子は良き王になったようだ。もっと続きが読みたい。

読了日:7月17日 著者:小野不由美

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30418185

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 08月号 [雑誌]

ダイエットの話は面白かった。どこの国でもシングルマザーは大変なようだ。

読了日:7月21日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30509535

 

名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス)

家族の勧めで読んでみた。連載時一話完結の短編集。探偵というよりは日常生活の些細な謎を調べていく内容。比較的意外な顛末だった場合は面白いが、何故そう思ったかという根拠をハッキリさせて理論的に推理してくれないと不満が残る。

読了日:7月21日 著者:木々津克久

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30514654

 

名探偵マーニー 2 (少年チャンピオン・コミックス)

一話完結なので引きずらずに読めるのがいい。絵柄が昔っぼく感じられた。

読了日:7月22日 著者:木々津克久

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30521139

 

■白ゆき姫殺人事件

周囲の人の話を次々と聞いていく事で事件の真相に迫っていくいつもの構成に加え、SNSへの書き込みやインタビューを元に書かれた雑誌の記事を資料として添付する事によって、人間の表と裏が更に浮き彫りになり考えさせられた。相変わらずイヤな女や自分勝手な男を書かせたら天下一品で痛快。記事は取材で聞いた事をまとめただけ、言葉を置きかえる事もある、内容は載せた出版社の責任と言うライターと、記者の契約を切ったから一切責任は持てないと言う出版社側の責任転嫁合戦が面白かった。

読了日:7月24日 著者:湊かなえ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30569612

 

新世界より(上) (講談社文庫)

世界観が凄い。人類がPK能力を持つと世界はどうなるか。「国立国会図書館つくば館」の端末機械である「ミノシロモドキ」が語るおぞましい歴史は大変説得力があった。持たざる者はやはり奴隷となるしかないのか。呪力というPKを持ち神様と呼ばれる人間側から物語は書かれているが、実は現在の私たち人間はバケネズミ側なのだ。今後の展開が楽しみ。同種間攻撃抑制のための愛の生活と愧死機構が興味深かった。

読了日:7月31日 著者:貴志祐介

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30756385

 

■東の海神 西の滄海 (X文庫CDブック)

付録の「漂舶 十二国記外伝」目当てに中古で購入。斡由の墓に尚隆と六太が参るシーンは何処かで読んだか見たかした気がするけど気のせいか。CDドラマは分かりやすくて面白かった。「麒麟」のイントネーションは「キリンさんが好きです」のキ→リ↑ン↑だと思っていたが、ドラマ中ずっとキ↑リ↓ン↓と発音されていたので違和感があった。

読了日:8月4日 著者:小野不由美,山口勝平,梁田清之,石田彰,子安武人,関智一,三木眞一郎

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30853688

 

■ホテルローヤル

第149回直木賞受賞作。道東のラブホテルを軸に、周囲の人達の身の丈に合った生き方が切なく語られる7つの短編集。廃墟となったホテルに始まり、建設を決意するラストまで時系列が逆行するので、人物の繋がりが少しずつ分かっていく過程はまるでルーツを辿るよう。どれもロケーションの湿原を思わせる哀しい男女の話なのに読後感がさほど重くないのは、ラストの始まりに向かって若返っていくからかもしれない。親に逃げられた女子高生と、結婚前からの不倫を続ける妻から逃げる先生の話「せんせぇ」はずっしりきた。釧路湿原が見たくなる。

読了日:8月7日 著者:桜木紫乃

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30909186

 

新世界より(中) (講談社文庫)

最も将来を嘱望されていた瞬が橋本・アッペルバウム症候群により業魔化。守は教育委員会より送られた不浄猫から逃げるため家出。真理亜は守を助けるべく共に町を去る。ついに一班は早季と覚の二人だけになってしまった。人間一人が核兵器以上の破壊力を持ち、不適格者は容赦なく排除される世界の仕組みが徐々に明かされていく。呪力を持たないバケネズミたちは物質文明を飛躍的に進歩させ、2年後の早季との邂逅でスクィーラは怪しい企みを暗示させる。続きが楽しみ。

読了日:8月9日 著者:貴志祐介

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31006570

 

グーグーだって猫である5 (角川文庫)

7匹の子猫が誰も人工ミルクを飲まず、オトナ猫のグーグーだけが飲んでいたのが可笑しかった。ノラ猫が庭で子供を産んだので保健所に引渡すと言う人に、お宅にその子猫“拾いに”行きます、と助けに行くシーンには色々考えさせられた。捨てられた猫がノラになっているのだろうか。大島家の子になった猫達は幸せだと思う。

読了日:8月14日 著者:大島弓子

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31079116

 

新世界より(下) (講談社文庫)

悪鬼を倒せる唯一の武器を手に入れるため、東京の地下をさまよう四人。案内するニセミノシロモドキはTOSHIBA製、向かう場所は中央合同庁舎第8号館。リアル過ぎる。恐ろしい生物の巣窟となった地下鉄の成れの果ての洞窟を決死の覚悟で行軍する様が凄まじかった。どうやって悪鬼を倒すのか最後までハラハラドキドキ。基本的人権のために闘うスクィーラには色々考えさせられたが、知性を持った存在には等しく権利が与えられるべきという考えは正しいと思う。最後に明かされたバケネズミの正体は思った通りだった。奇狼丸の壮絶な最期に黙祷。

読了日:8月16日 著者:貴志祐介

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31142505

 

■COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 09月号 [雑誌]

人生の9割は、「捨てる」ことで決まる。仕事や会議の際にはメールチェック等他の作業は一切せずに集中。「マルチタスクをやめてマイナスになったことは何一つなかった」集中した方が効率が上がるのは当然だろう。物を捨てるのも同じ。「なくては困るモノって、じつはほとんどなかった」わかっちゃいるけど捨てられない。来月休暇取って断捨離するか。◆リケジョの話、周囲のリケジョ像に合わせて振る舞う必要はないと思うよ。

読了日:8月21日 著者:

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31277511

 

■ラブレス

夕張炭鉱夫の娘として生まれた百合江の波乱万丈の人生。高校にも行かせてもらえず父親の借金の形に乱暴され、妹の紹介で結婚した夫は借金まみれで旅館でタダ働き、出産中に連れ子を売られる。老後のため土地を買ったら悪徳商法で無一文に。そんな人生でも誰を恨むでもなく欲を出すでもなく、自分に折合いをつけて淡々と生きていく。それが北海道の土地柄に絶妙にマッチしていると感じた。ラストは確かにいいシーンだけど、私としては日の出観光の石黒さんに締めてもらいたかった。綾子を売った高樹親子には天誅が下って欲しかったとつくづく。

読了日:8月23日 著者:桜木紫乃

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31326064

 

■夢を売る男

出た!出版モノ!一作ごとに全く異なるジャンルの作品を発表する著者が、満を持して送り出した掟破りの作家ネタ。もう痛快丸かじりで抱腹絶倒。自分は本を出すに相応しい人間だと思い込んでいる人達が手前勝手に持論を展開する様がたまらない。特に「チャンスを摑む男」のフリーターには今時の若者の馬鹿さ加減をこれでもかこれでもかと見せつけられ、ごめんなさいと謝りたくなった。作家を批判するシーンではしっかり百田何某を登場させているし。こういう面白い小説を書ける人がいるのだから、出版界もまだまだ捨てたものではないと思いました。

読了日:8月26日 著者:百田尚樹

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31405831

 

■ナミヤ雑貨店の奇蹟

いい話だった。廃屋のナミヤ雑貨店に迷い込んだ3人のコソ泥達の元に過去からの悩み相談が届き、皆で真剣に考え返事を書いて牛乳箱に入れると、相談者の元に届いてお礼の手紙がまた届く。この時空を超えた悩み相談のからくりが科学的に説明されることは無論ないが、児童養護施設を中心とする関係が少しずつ明かされ、そうだったのか!と最後には納得してしまう。みんな一生懸命生きていた。コソ泥達の未来も明るい。丁度ショッキングビートルズを聴いていた時に読んだので、私も参加できたような気がして嬉しかった。

読了日:8月28日 著者:東野圭吾

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31461213

 

■ブラッドライン

無影灯・クリスマスツリー等の医療用語、手術のリアルな描写、珍しい病名等が目新しく、流石現役医師による医療ミステリーだなと思った。が、人間関係の描写が単調で違和感あり。父と子、兄妹、嫁姑、上司部下、どれも中高生の会話みたいで安っぽく感じる。ラノベ読者層がターゲットなのか。マザコン男に辟易している真奈美がお腹の子を「新しい生きがい」にするなど、マザコン予備軍のようで心配だ。裕也の調査手順もストーリーを強引に結末に持って行くような不自然さを感じる。結末は意外だった。キツネツキで舞踏病を思い浮かべた。

読了日:9月4日 著者:知念実希人

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■64(ロクヨン)

14年前の未解決誘拐事件を中心としたD県警の物語。広報官三上の心情描写が凄い。地元記者クラブとの匿名問題、広報の部下との信頼関係、家出した娘の捜索を願い出たことによる警務部上司からの圧力、古巣の刑事部は一体何を隠しているのか…そういった細かい事情が三上の考えや言葉によって微細に語られていく。警察とはこんなに面倒な組織だったのか。最後に14年前の事件に繋がっていく構成は見事としか言いようがないが、細か過ぎて読後に疲労感もあり。身内を庇い不祥事を隠蔽する警察への不信感が高まったが、参事官の松岡に救われた。

読了日:9月15日 著者:横山秀夫

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■震える牛

ドラマでは食品偽装がよりクローズアップされていたが、原作ではオックスマートのような大型SCの進出により地元商店街がシャッター街となってしまう問題が中心のようだ。田川と上司の宮田の関係も最後のドンデン返しでインパクトが強かった。小道具の腕時計が効いている。地道な捜査でじわじわと真相に迫っていく過程は読み応えがあり、プロローグとエピローグの繋がりも見事。文句なく面白かった。『64』に続いて警察に対する不信感が増大。また、安易に安い食品に飛びつかないよう気を付けねばと思った。

読了日:9月19日 著者:相場英雄

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■爪と目

怖かった。私もコンタクトレンズ使用者なので、目の乾くツラさ・異物が入った時の痛さは身に沁みてます。第149回芥川賞受賞作品。こういう文体でこういう内容を書かないと芥川賞は取れないんだろうなぁと思える典型的な作品だった。三歳児の「わたし」が父親の浮気相手を「あなた」と語る奇異感、若い継母が浮気しつつ前妻の好んだインテリアをなぞる異様さ。壊れかけの継子、ラストの仕打ち。印象的かもしれないけど気味悪かった。あと父親がここまで放任する背景が希薄。

読了日:9月24日 著者:藤野可織

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ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 13 (花とゆめCOMICS)

1/4のたわごと◆その3◆でも書かれているように、“ラズロとキャー”のコンビは最強のボスキャラだ。だからなおさら絵の変化が目立つ。果たして自分というキャラは周囲から見て好ましくない方に変化してはいないか。そんな事を考えた。きらきらネーム・DQネームについては、漫画の中でこそ許されると思っていたが。問題なのはそれを自分の子供につけてしまう親の方だろう。救急搬送の際、確認だけで時間がかかるという話には説得力があった。それにしても紫苑、早く戻って欲しい。

読了日:9月30日 著者:日渡早紀

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■ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

タイトルから、逆恨みでストーカー行為を重ねる名無しさんを自宅におびき寄せ対抗する話がメインかと思ったが、違った。銀行から企業の総務に出向した気の弱い主人公が、やり手の営業部長の架空取引や、他社の倒産を利用した売上金横流しの手口を暴いていく様子がスリル満点に語られ面白かった。半沢直樹で銀行の事が少し分かってきたところに、この話で更に理解が深まったと思う。最後に社長が経理のシングルマザーと主人公を評価してくれてよかった。勇気は報われなければね。

読了日:10月2日 著者:池井戸潤

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32324591

 

■大地のゲーム

人の評価が酷く気になり怯えもするが、しかし自分は他人と違った存在だと信じ、年長者の経験と比較されるなんてまっぴら、自分の行動は美化して表現し安寧を得る。そんな学生達の生態が、大きな地震に被災した大学構内を舞台に描かれる。生き残った者が大地に根をおろしていく、という逞しさも伝わってきた。その地震のあとには津波がなかった事と、揺れが来る20分前に鳴る警報やシェルターが整備されている事から近未来の設定だと思うが、若さ故の混沌とした感情が細やかな比喩で丁寧に表現されていて生々しく、芥川賞っぽい作品だと思った。

読了日:10月7日 著者:綿矢りさ

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32452803

 

■新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

山田詠美の「クリトリスにバターを」を読んでこちらも再読。初読は19か20歳の時。大学の友達と感想を話し合ったのを覚えている。ドラッグ・セックス・暴力に明け暮れる横田基地の若者たち。その荒廃した生活が、今なら問題となるであろう表現も含め鋭い言葉で淡々と綴られ、あまりにリアルで自分が乱交パーティの只中に居るかの如き不快感を共有してしまう。綿矢りさが巻末の解説で「作家と読者が互いの頭のなかにまったく同じ映像を思い浮かべる」文章力と讃えていたが、昔の芥川賞はずいぶん過激だったんだなと。残ったのはリュウの喪失感か。

読了日:10月9日 著者:村上龍

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■残り全部バケーション

当たり屋だの脅しだのを請け負い直感で行動する溝口と、その助手だった岡田の物語。関係者サイドの短編でエピソードが語られ、最終章で見事につながる。『グラスホッパー』『マリアビートル』と同じ手法に大人の美学がブレンドされ、お洒落なお伽話のようで読後感が爽やかだった。ターミネーターを捩った「タキオン作戦」が面白すぎる。教授と教え子の会話には爆笑。「小さな兵隊」の「悲しみを忘れなければならない。僕にはまだ残された時間があった」も心に残る。岡田の復活シーンをあれこれ想像していたが、楽しい終わらせ方に参りました。

読了日:10月16日 著者:伊坂幸太郎

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グラスホッパー

自殺屋の鯨、ナイフ使いの蝉、押し屋の槿、そして亡き妻の復讐のため《令嬢》に潜入した鈴木。皆個性的だが、非現実的な能力を持ち同じ文庫本を何度も繰り返し読む鯨が印象的だった。沈着冷静な槿には憧れるが、一瞬たりとも気の抜けない人生は疲れそう。本来嫌いなチャラいタイプの蝉が案外好きだったり、キャラ構成の妙を感じる。現実世界に無事戻れたのがありふれた呼び名の鈴木だったのは当然の理か。随所に展開されるジョークがいちいち面白い。もし無人島に一冊だけ本を持って行けるとしたら、逆に読むと「唾と蜜」になる本を私も選ぶ。

読了日:10月23日 著者:伊坂幸太郎

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名探偵マーニー 3 (少年チャンピオン・コミックス)

面白いところもあるけど、詰め込み過ぎなのか中途半端に終わった感じがする事が多い。

読了日:10月24日 著者:木々津克久

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■リライト (ハヤカワ文庫JA)

私が北海道のラベンダー畑を見に行きたいのは、筒井康隆の『時をかける少女』によるところが大きい。ケン・ソゴルLOVE。北村薫の『スキップ』『ターン』『リセット』三部作、ケン・グリムウッドの『リプレイ』、最近急に有名になった(笑)ロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』、ハインラインの『夏への扉』も好きだ。タイムトラベルものにはパラドックスがつきものだけど、それを前面に押し出した本作品はなかなか面白かった。1992年③で殆ど分かってしまうのが残念。あと最後の種明かしは荒木のような冷静派に語って欲しかった。

読了日:10月25日 著者:法条遥

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■マリアビートル (角川文庫)

単行本で読んでいたのにうっかり文庫も買ってしまい、せっかくなので『グラスホッパー』を読んだ後に再読。大げさではなく『グラスホッパー』後は100倍面白かった。鈴木が歩く懺悔室になっていたり、スズメバチの正体が割れたり、槿が頼まれ仕事をしたり、前作でスッキリしなかった部分もしっかり回収。それにしても王子が悪すぎる。早く誰かやっつけてくれないかと歯ぎしりしたのは私だけではあるまい。木村夫妻の活躍には胸のすく思いだったが、顛末は七尾のように聞かない方がよかったか。あと桃の言うように蝉は残念だった。蜜柑と檸檬も。

読了日:11月1日 著者:伊坂幸太郎

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■リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

時間の流れはオレンジの皮のように繋がった時空連続体だから、一点が変化すると全体が変わってしまう、と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクが説明していたと思うけど、その内容を分かりにくくしたような話だった。過去に行って祖先を殺したら今の自分が消えるのは分かる。でも自分が消えれば祖先を殺しには行けなくなる筈だし。『リライト』との関連もちょっと無理を感じた。発想が良くても物語として面白くなければ意味がないと思う。

読了日:11月6日 著者:法条遥

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■know (ハヤカワ文庫JA)

久々にハヤカワ・ミステリ・シリーズと並べても遜色ない作品に出会い興奮。電子葉を脳に埋め込みネットに直接接続できる情報化社会の未来形や、有主照・問ウ、道終・知ルなどのネーミングもよく考えられていると思った。が、次第に体言止め多用のラノベ文体になり、素月・切ルのえげつない描写で興ざめ。流石にこの人格で*はないだろう。京都御所への入り方も説明不足の感があった。ちょっと残念だったけど、最後の終わらせ方はよかった。

読了日:11月13日 著者:野崎まど

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■永遠の0 (講談社文庫)

取って置き。満を持して読んだが予想を上回る圧倒的傑作で、それまでに読んだちょっといいなと感じていた作品達が皆色褪せてしまった。戦争を知らない子供達に、これほどまでに面白くまた分かりやすく感動的に史実としての戦争を訴えた小説がかつてあっただろうか。いや、ない。零戦の戦闘シーンや大本営の戦略ミス、軍隊での上官の横暴、幸運艦瑞鶴や大和ホテルの実態などが複数の人から語られ、それだけでも十分面白いのに最後で見事につながる巧みさに震撼した。映画も絶対見る。艦これに興じている若者は是非この小説を読んで欲しい。

読了日:11月22日 著者:百田尚樹

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■姉の結婚 6 (フラワーコミックスアルファ)

冒頭の回想シーンで、イベントを企画したり書評を書いたりしている時の賢いヨリさんからは想像出来ないほどの阿呆な男性遍歴に唖然とした。最初はともかく学習するでしょう。これだけ頭のいい人が、何故ああいう寂しさを埋めるだけの不毛な付合いを繰り返してきたのか、と腑に落ちない。真木の奥さんも妊娠したみたいだし、こりゃ駄目かな感が強まった。あと真木の父親といい夢幻堂遥といい、年配の男性の顎から首にかけてのラインが変。

読了日:11月28日 著者:西炯子

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赤ずきんチャチャN 1 (マーガレットコミックス)

時間が経つと絵が変わってしまう作者が多い中、全く変わっていなくて嬉しい!ラスカル先生の変身ぶりには驚き(笑)

読了日:12月1日 著者:彩花みん

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■ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

アルセーヌ・ルパンシリーズは小学生の頃に読んだが、思い出せるタイトルが『奇岩城』『813の謎』『ルパン対ホームズ』くらいだからさほど読んでなかったかもしれない。それも児童向けに編集されたものだったので、原作に近い形で読むのは初めてかも。ルパン三世のイメージが強すぎて、本家ルパンのあまりに紳士的な人物像に面食らった。電動保安装置には時代を感じたが、当時は画期的だったんだろう。危なげなくハッピーエンドに向かっていくので落ち着いて読めた。

読了日:12月2日 著者:モーリス・ルブラン

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■疾風ロンド (実業之日本社文庫)

疾風のようなストーリー展開で面白かった。日を跨いだがほぼ一気読み。栗林父の下手糞スキーや所長の間抜けぶり等少々コメディタッチではあるが、最後までどうなるのかハラハラしながら読める運び方は流石。疾走感はパトロール隊や子供達の滑走の様子から来るものだろう。スノボやスキーの技術的な描写も的確で、ゲレンデ愛好者にはたまらない内容だ。スマホを駆使する今時感も良かった。これは前作『白銀ジャック』も読まねば。

読了日:12月4日 著者:東野圭吾

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シャーロック・ホームズに愛をこめて (光文社文庫)

日本人作家によるパロディ/パスティーシュ集。『ルパン、最後の恋』のついでに読んでみた。シャーロッキアンに程遠い私は、夏目漱石の英国留学がホームズの活躍した時代の後半に被っていた事すら知らず、冒頭の山田風太郎『黄色い下宿人』にガツンとやられた。が、その他の作品はホームズに「おれさま」と言わせたりゾンビにしたり、あまりしっくりこなかった。巻末の解説で、スピルバーグの「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」は聖典の設定と齟齬があるので違反だと言っていたが、確かに。横田順彌の『まだらのひもの』は是非読んでみたい。

読了日:12月11日 著者:

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■キケン (新潮文庫)

面白かった!章の扉が1頁ずつ漫画になっているが、中身も漫画の如く怒涛の展開だった。男子学生率99%の西南電気工科大学における【機研】部員のはっちゃけた活動ぶりに、自分達の部室を思い出しつつ笑い転げた。まさに「男子大学生の日常」という感じ。奇跡の味を作り上げたお店の子のスープ作りがものすごく参考になったけど、鶏ガラの処理は素手でやりたくない(笑)。私も卒業当時、自分だけ部活の思い出を引きずっているような気がして複雑だったので、お店の子の気持ちはよく分かる。黒板サイコー。妻もサイコー!

読了日:12月13日 著者:有川浩

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■白銀ジャック (実業之日本社文庫)

『疾風ロンド』が面白かったので前作も読んでみた。ロンドは東野さんにしては珍しく軽めの内容だったが、こちらはじっくり練られたような重厚感あり。スキーやスノボの素晴らしい滑走シーンに魅せられ思わずスキー場に行きたくなるが、悲しいかな自分の技術では40度傾斜などとんでもない話なのであった。スキー場の経営事情や客のマナー、事故の恐ろしさなど色々考えさせられた。真相は概ね予想通り。終始スキー客の安全を第一に考え、誠意ある対応をしていた倉田のラストはドンピシャでニヤリ。

読了日:12月18日 著者:東野圭吾

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■かわいそうだね?

既に新しい彼女がいる元カレのアパートに就活を理由に居候し、悪気のないかわいそうな女を演じながら復縁を目論むしたたかなアキヨ。アキヨを助けるのを許せないなら樹理恵と別れる、と言う隆大。女は怒りの矛先を男の浮気相手に向けがちだがそれは間違い。浮気する男に向けるのが正しい。大阪弁の啖呵は世界一怖いと再認識。◆美人の亜美ちゃんがチヤホヤされ過ぎて自分を好きじゃない人にしか興味を持てなくなったのは分かるけど、それよりさかきちゃんが下の名前じゃなくて坂木蘭だった事に驚き。

読了日:12月27日 著者:綿矢りさ

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■羊の宇宙

12DAYSプレゼントで。老物理学者と羊飼いの少年との会話で、宇宙とは何かを考えるお話。文章も絵も素晴らしかった。「色即是空」について、ブッダは「物質というのは実体のないものである」という考えに、人類史上で一番最初にたどりついた人間なのだと物理学者が説明していたが、真理はひとつに収束するという事から『アルジャーノンに花束を』を思い出した。アルベルトが誰なのかすぐに思い至らなかった自分が情けない。

読了日:12月28日 著者:夢枕獏

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