florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

2013年3月の読書メーター

2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2919ページ
ナイス数:98ナイス

堕落論 (新潮文庫)堕落論 (新潮文庫)感想
確認したいことがあって再読。もう何回読んだかわからないけど、相変わらずテンポの良さが心地よい。愛妻家の平野謙氏はそのうち奥方と一戦交えて包帯ぐるぐる巻きになります。
読了日:3月1日 著者:坂口 安吾
さよならドビュッシー (宝島社文庫)さよならドビュッシー (宝島社文庫)感想
面白かった!流石「このミス」大賞受賞作品。終盤で明かされる大規模なトリックは、普段なら容易に想像出来るありがちな内容なのに、ピアノ演奏シーンの卓越した描写や皮膚移植のリアルさに覆い隠され、ついぞ思い至らなかった。いつも裏の意味ばかり探りながら読む私としたことが、してやられてしまったよ。探偵役の岬洋介の特異なキャラも大変魅力的だった。これはシリーズで読みたい。
読了日:3月6日 著者:中山 七里
境遇境遇感想
【ネタバレ注意】出来るだけぼかして書きますが、分かってしまったらごめんなさい。ラストが甘くてちょっとガッカリでした。優位な立場と信じていた晴美が真実を知って、あんなに落ち着いていられる訳がない。お門違いの行動で羞恥にまみれないのか。境遇に絶望しないのか。母親を憎まないのか。いつもの湊かなえなら、もっと負の部分をこれでもかこれでもかと見せつけた筈。結局誰も償わず、うやむやに終わってしまった感があり不完全燃焼でした。
読了日:3月12日 著者:湊 かなえ
茶箱広重 (小学館文庫)茶箱広重 (小学館文庫)感想
昔「ほっぺたの時間」を読んだことがあり、もう一度読みたくて古書を購入。それが出てきたので再読の再読。人間の深部をえぐり出すような作品の数々に、なんというか、人生しみじみ。
読了日:3月17日 著者:一ノ関 圭
彼氏彼女の事情 (21) (花とゆめCOMICS)彼氏彼女の事情 (21) (花とゆめCOMICS)感想
片付け中についまた読んでしまった。あさぴんだけが一人のまま卒業で気になっていたら、やっぱりね。よかったよかった。私も「あー面白かった」と言って死にたい。
読了日:3月17日 著者:津田 雅美
ツナグ (新潮文庫)ツナグ (新潮文庫)感想
死んだ人に生涯一度きり、一人だけ会わせてくれる仲介人の使者(ツナグ)。概ねいい話ばかりだと思っていたら「親友の心得」の嵐と御園の壮絶な闘いにぶっ飛んだ。これはこの話がメインだなと思いきや、実は使者の歩美自身が主役であった。死者は残された者のためにあり、残された者はその死を背負う義務を負うという事を、使者自身が悟るためのエピソードだったという構成が素晴らしい。さて私は誰と会いたいんだろう、と読んだ誰もが考えたに違いない。
読了日:3月19日 著者:辻村 深月
バルバラ異界 (1) (flowers comics)バルバラ異界 (1) (flowers comics)感想
「最初さらっと読んでしまったが、再読したら全然解釈が違っていた」と家族が言っていたので自分も再読。2003年7月20日初版第1刷発行、2007年2月25日第5刷発行。6年前に買ったものだろうか。家族が別途保管してくれていたので概ね良好な保存状態。
読了日:3月23日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 (2) (flowers comics)バルバラ異界 (2) (flowers comics)感想
2004年4月20日初版第1刷発行、2007年1月25日第4刷発行。萩尾望都のSFはレイ・ブラッドベリのような少年ぽい不思議さやロバート・F・ヤングのような懐かしいロマンがあって好きだが、それに加えて取り返しのつかない寂しさと残酷さというか、強烈な喪失感を伴う甘さが感じられて独特の陶酔感を味わえるので中毒になる。
読了日:3月23日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 (3) (flowers comics)バルバラ異界 (3) (flowers comics)感想
2005年1月20日初版第1刷発行、2006年1月25日第2刷発行。7年間眠り続け、2052年に2150年の未来の夢を見る青羽、夢に入り込むプロの夢先案内人の渡会、結晶化した心臓を食べることにより記憶を引き継ぐ家系のエズラ。一族が持つ老化の病を治そうとエズラは若返りの薬を作る…久しぶりに読んでも興味深い内容だ。
読了日:3月23日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 (4) (flowers comics)バルバラ異界 (4) (flowers comics)感想
2005年10月20日初版第1刷発行、2007年2月25日第3刷発行。渡会は息子のキリヤを助けようとして、逆に永遠に失ってしまった。行ってしまったキリヤは実の息子ではなく、手元には実の息子が無事に戻ったのに、実はタカだった最初のキリヤを取り戻したいと願った。血の繋がりだけではないんだ、という陳腐な感動も、ハッピーエンドにはしてもらえずもどかしさが残る。上手く言えないけど、この寂しさを味わいたいのかもしれない。
読了日:3月23日 著者:萩尾 望都
小鳥たち (新潮文庫)小鳥たち (新潮文庫)感想
先日発掘された未読本を消化。買った経緯は三浦しをんさんの紹介だと思われる。「フランス映画の原作本です」って顔をしてレジの書店員に堂々と出せるエロ本として解説されていた。けっこう実用的だとか(笑)。詩人の著者が大金持ちのご老人に依頼されて生活のために書いた官能小説集らしいが、何というか、どれもアブノーマルであまりエロチシズムは感じられなかった。宮木あや子の『花宵道中』の方が実用的だと思う。
読了日:3月27日 著者:アナイス ニン

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