florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4220ページ
ナイス数:31ナイス

グッドラックららばい (講談社文庫)グッドラックららばい (講談社文庫)
信金に勤め「文鎮」と渾名される夫の信也、長女の卒業式後に家出して旅芸人の一座について行く妻の鷹子、ソックスの折り目にコンドームを隠して高校に通う長女の積子、常に怒っている次女の立子。どこにでもいるようで個性的な4人で構成される片岡家の20年に渡る物語。お金がなくても親に愛されなくても、大した事ないさと笑い飛ばせる気にさせてくれる。姉妹の名前は積立貯金からとったのだそうだ。最後は竜巻で自宅の屋根が吹っ飛び、ニュースを見た鷹子が戻って大団円。立子の成長ぶりが眩しかった。家は疲れたときに帰ればいい。なるほどね。
読了日:05月08日 著者:平 安寿子
ヒトリシズカ (双葉文庫)ヒトリシズカ (双葉文庫)
これは凄い!めちゃくちゃ面白くて久々の一気読みだった。警察を舞台にした6話の短編からなり、それぞれ違った事件が違った警察官の視点で描かれるが、そこから徐々に浮かび上がる一人の女、シズカ。事件も皆それぞれ十分面白いけれども、この小説の魅力は何と言ってもヒロインの圧倒的な強さだろう。4話で語られる最初の事件の時、彼女はなんとまだ8歳だったが、既に全てを理解する立派な大人の女だった。私も彼女くらい強くありたかったと思う。シズカは日本のリスベットだ。
読了日:05月11日 著者:誉田 哲也
姉の結婚 3 (フラワーコミックス α)姉の結婚 3 (フラワーコミックス α)
ようやく見えてきた真木の結婚事情。マニアックな彼が「顔が似ている」だけで決める筈はないと思ったけど、父親の借金絡みとは泣かせてくれる。それにひきかえヨリの昔はありきたりだなぁ。あんな男に引っかかるなんてらしくないよ。真木「結婚がこんなに個人を絡めとるものだとは結婚するまで知りませんでした 財産 扶養 相続 貞操までオールインワンで 部分的にも一方的にも解約ができない」まったくもってその通り。
読了日:05月11日 著者:西 炯子
遠い町から来た話遠い町から来た話
切手型の目次から素敵。「エリック」の最後のシーンや「ペットを手作りしてみよう」も好きだけど、「お祖父さんのお話」のストーリィが大好き。婚礼の日に二人で婚礼ブーツを履いて遠いところまで使いに行かされ、リストにあるものを手に入れて婚礼用のヒモで車のバンパーに結びつけ、日没までに戻ってくる。ヒントは招待客一人ひとりから言い渡された謎かけのような言葉。それもそらで言えるように暗誦しなければならない…不思議でほのぼのに弱いようです。
読了日:05月12日 著者:ショーン タン
モンスター (幻冬舎文庫)モンスター (幻冬舎文庫)
ブルドッグのような顔の和子は幼い頃からバケモノ扱いされ、ある事件から故郷を追われる。その後死に物狂いで働き整形手術を何度も受けた彼女は、絶世の美女・未帆となって田舎に戻る。それはある男のためだった… 醜い彼女に対する周りの仕打ちや、整形で徐々に顔を変えていく過程、美女に対する男性の態度が大変リアルに描かれており、非常に参考になったし面白かった。「ただしイケメンに限る」なんぞとぼやいてブサメンな自分にいじけている男性は、是非これを読んで皮一枚の外見について考えてほしい。崎村カッコ良すぎ。
読了日:05月14日 著者:百田 尚樹
鍵のかかった部屋 (角川文庫)鍵のかかった部屋 (角川文庫)
月9のドラマが面白かったので原作を読んでみた。榎本と青砥の環境や性格が若干違っていたけど、さすが原作、トリックがより一層緻密だった。原作を読んでから映像化されたものを見ると大抵がっかりするけど、こういったトリックや実験モノは実際の映像で見せてくれると大変わかりやすい、と「ガリレオ」の時も思った。来週放映分の話は原作を先に読めたのでどうなっているのか楽しみ。小説では榎本と青砥の掛け合いが更によかった。
読了日:05月16日 著者:貴志 祐介
私を月まで連れてって!―完全版 (6) (JETS COMICS (4246))私を月まで連れてって!―完全版 (6) (JETS COMICS (4246))
家に5巻までしかなかったので、おヤエさんの結婚で終わりかと思っていたら続きがあったとは!おヤエさんは妊娠8ヶ月まで誰にも気付かせずハウスキーパーやっていたなんて凄い。ダンは子供心に理想の人だったなぁ。掃除機のゾウリムシはルンバの原型でしょう。竹宮惠子先生のセンスに脱帽です。
読了日:05月18日 著者:竹宮 惠子
私を月まで連れてって!―完全版 (1) (JETS COMICS (4241))私を月まで連れてって!―完全版 (1) (JETS COMICS (4241))
懐かしい。ガイアの四次元概念とかパラドックスとか、クローンとか青い薔薇とか、SFの基礎はこの漫画に担うところが大きかった。17歳上のアストロノウツが恋人だなんて、なんて羨ましいニナ・フレキシブル。当時はフレキシブルの意味も知らなかった。『たんぽぽ娘』を読んだのもこれの影響。再会に乾杯!
読了日:05月18日 著者:竹宮 惠子
私を月まで連れてって!―完全版 (2) (JETS COMICS (4242))私を月まで連れてって!―完全版 (2) (JETS COMICS (4242))
オリオンM27のS13に「空いっぱいにきみが名を書こう 八重と I LOVE YOU」と書いたのはブライトですね。おヤエさんの切ない恋が語られる脱出劇はまだ先か。
読了日:05月18日 著者:竹宮 惠子
私を月まで連れてって!―完全版 (3) (JETS COMICS (4243))私を月まで連れてって!―完全版 (3) (JETS COMICS (4243))
H.G.ウェルズ型のタイムマシンでニナが未来に行ってしまい、その時代のダンに会いに行く話がトップに。一番好きな話だったかもしれない。未来のニナは綺麗だった。
読了日:05月21日 著者:竹宮 惠子
私を月まで連れてって!―完全版 (4) (JETS COMICS (4244))私を月まで連れてって!―完全版 (4) (JETS COMICS (4244))
ハリアンとおヤエさんの関係が徐々に明かされていく。ガイアのいたずらでダンとハリアンが事故で壊滅寸前のコロニーに飛ばされ、二人力を合わせて生存者を救出する「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」が面白い。この事件から二人は精神的双子と言われる親友になっていったのね。
読了日:05月22日 著者:竹宮 惠子
私を月まで連れてって!―完全版 (5) (JETS COMICS (4245))私を月まで連れてって!―完全版 (5) (JETS COMICS (4245))
ついにおヤエさんが結婚を決め、実はやんごとなきお生まれの方だったと知り執事さん以下騒然。温泉家の乳母の顔が凄かった。おヤエさんには作者の理想の女性像や結婚観が凝縮されているように思う。私もずいぶん影響されて、ハウスキーピングは総合学だと本気で考え勉強の励みにしていたところがある。私の場合は圧倒的に才能が足りていなかったようだけど。
読了日:05月22日 著者:竹宮 惠子
花酔ひ花酔ひ
エッチシーン満載で、思わずもじもじしながら読んだ。性癖の合わない二組の夫婦がたまたま双方の相手に惹かれ合うが、たまたま過ぎやしないか。それでもいわゆる好色本より純文学っぽく感じたのは、そうなる環境や周囲の人物が細やかに描かれているからだろう。特におばあちゃんが素敵だった。今までマゾはヒールで踏まれたりムチで叩かれたりのコミカルなイメージしかなかったが、リアルに描写されるとかなりシリアスであった。もう少し明るく終わらせて欲しかったな。
読了日:05月23日 著者:村山 由佳
乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)
漁村に住むパワフルな双子の娘、ライラとレイリが今回の乙嫁。ハチャメチャしすぎて親父にポカリとやられる姿が可愛い。双子の母親が結婚する時の話もよかった。結納金や自作の花嫁衣裳など、嫁をもらう側も出す側も準備が大変だなぁとあらためて思った。次回の結婚式が楽しみ。アミルは相変わらずカッコイイが、実家のほうがなにやら嵐の前の静けさで心配。
読了日:05月25日 著者:森 薫
狐火の家 (角川文庫)狐火の家 (角川文庫)
ドラマから入ったので『鍵のかかった部屋』を先に読んでしまい、順番が逆になった。どうせならこの後『硝子のハンマー』『青の炎』と読み継ぎ完全に逆行してやろうと思っている。「狐火の家」はドラマではかなりシンプルになっていたが、それでも十分に意外な結末だった。原作はもっと複雑。「黒い牙」は青砥さんが解決してしまってビックリ。「盤端の迷宮」では被害者の鬼畜ぶりに腹が立って仕方がなかった。どうも私は性的暴挙に過敏なようだ。最後の「犬のみぞ知る」で、劇団『土性骨』の酷いネーミングに救われた。
読了日:05月30日 著者:貴志 祐介

2012年5月の読書メーターまとめ詳細
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