florineのブログ

読んだり観たり遊んだりした感想

4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2208ページ
ナイス数:31ナイス

おじさん図鑑おじさん図鑑
時間をかけて隅から隅まで熟読した。著者が高校生のときに美術の先生の個展に行き、そこに集まるおじさん達を見て目覚めてから、ずっと親しみを持って世のおじさん達を観察してきたのがよくわかる。図鑑だから仕方なく嫌なおじさんも少し入れたらしいが、全編にわたって「おじさんっていいな」という温かい気持ちに溢れている。個人的にはハイウエストのおじさんがお気に入り。巻頭の写真にあった「死ぬ気で頑張れば 死ぬぞ」に爆笑。
読了日:04月02日 著者:なかむら るみ
夜市夜市
第12回日本ホラー小説大賞受賞作。圧倒的に面白かった。異世界にぐいぐい引き込まれ、情景が目の前に浮かんでは消える。伏線から話の行先が予想できるが、自分では絶対に思いつかない鮮やかな展開。もう一つのお話『風の古道』も意外な展開にページをめくるのがもどかしかったほど。ホラー、ファンタジー、センチメンタル、なんともはや。「いかなる奇跡を用いようとも、生を得るとはそういうことではないのですか?」参りました。他の作品も是非読んでみたい。
読了日:04月05日 著者:恒川 光太郎
ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 10 (花とゆめCOMICS)ボクを包む月の光 -ぼく地球(タマ)次世代編- 10 (花とゆめCOMICS)
未来路、パメラ、ソルの愛憎渦巻く大人の関係に翻弄されるカチコ。木蓮の教育的指導により蓮のサイコメトリが言葉の壁を越え、ようやく明かされた出生の秘密。果たしてこの親子3人が一緒に暮らせる日は来るのか?名前を言ってはいけないあの人:紫苑の親バカぶりが泣ける。蓮はやはり紫苑と木蓮の子供なんだなぁとしみじみ。キャーの出演を心より望む。
読了日:04月05日 著者:日渡早紀
東京近郊トレッキング BESTコースガイド (Mapple)東京近郊トレッキング BESTコースガイド (Mapple)
読了日:04月05日 著者:
穴  HOLES (講談社文庫)穴 HOLES (講談社文庫)
Stanley Yelnats ー 上から読んでも下から読んでもスタンリー・イェルナッツは、無実の罪で少年たちの矯正キャンプに放り込まれた。カラカラに干からびた湖の底に、一日一つデカイ筒状の穴を掘らされる。人格形成のためという名目だがどうも胡散臭い… キャンプの話と絡めて、マダム・ゼローニの呪い、キャサリンとサムの悲恋物語、西武の無法者等の昔話が語られ、それぞれ単独でも面白い伏線が見事に終盤に向け収束していく。ひねくれた大人になってしまった私でも大いに楽しめた構成の妙。
読了日:04月11日 著者:ルイス・ サッカー
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 05月号 [雑誌]COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 05月号 [雑誌]
読了日:04月15日 著者:
蜩ノ記蜩ノ記
カッコイイとは、こういうことさ。読んでいくうち、戸田秋谷に生き延びて欲しいと誰もが願ったのではなかろうか。秋谷の傍にいる人達は、その生きる姿勢に感銘を受け、なんとか自分を変えたいと思うのだろう。「ひとは心の目指すところに向かって生きているのだ。」「心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば、命を絶たれることも恐ろしくはない。」という庄三郎の言葉に集約されている。また百姓の源吉は武士より武士らしく感動した。悪家老や鎖分銅など盛り沢山の内容だったが、最後まで正義を貫いた話は清々しく胸に迫った。
読了日:04月19日 著者:葉室 麟
ヒュッテ6 (別冊山と溪谷)ヒュッテ6 (別冊山と溪谷)
読了日:04月21日 著者:
もっと行きたい! 東京近郊ゆる登山 (ブルーガイド)もっと行きたい! 東京近郊ゆる登山 (ブルーガイド)
23の山が紹介されているうち、行ったことがあるのは4ヶ所。社会人になって最初に登った高水三山と、ドライブ&トレッキング事始めの三頭山(都民の森)が載っていて感慨深かった。近づくなとゴーストが囁く(笑)丹沢の塔ノ岳は所要時間5時間50分で「体力が必要」「経験を積んだら」とのことでしたが、何と著者ご本人様より「塔之岳は渋いけどステキな山です。早朝スタートにして、のんびりペースで歩くといいと思います。是非!」とコメントをいただいたので挑戦してみようかと。
読了日:04月21日 著者:西野 淑子
秋の牢獄秋の牢獄
『夜市』に魅せられて2冊目。相変わらず異世界にすっと入っていくが、今回は恐ろしい面が多く語られていて怖い。同じ日をくり返す『秋の牢獄』はケン・グリムウッドの『リプレイ』を彷彿とさせたが、話の中でヒロインが『リプレイ』を読んでいてにやりとした。『幻は夜に成長する』で、リオが「今、私は彼に対して、愛情も憎しみも、なんの情も抱いていないが、かつて情があったということは事実。くすぐったい記憶だが、恥ずかしさで苦しむことはない。恥ずかしさは思い出して楽しむものだ。」と言っていたのが心に残った。
読了日:04月24日 著者:恒川 光太郎
雷の季節の終わりに雷の季節の終わりに
地図に載っていない穏(オン)という集落と、風わいわいと呼ばれる風霊鳥のお話。穏に住む賢也は雷季に姉を失い、代わりに風わいわいという鳥に憑かれた。賢也は墓町でヒナの幽霊に出会い、友達の穂高の兄ナギヒサに殺されたと知らされる。一方ごく普通の日本では、茜が継母の依頼により鬼衆のトバムネキに殺されそうになっていた…穏、賢也、茜の話がやがて一つにつながり、殺しても無限に復活する天上人トバムネキと対決する。不思議な世界にぐいぐい引き込まれ、最後には正義がしっかり勝つ安心感。ちょっとホラー度が高いが大変面白かった。
読了日:04月27日 著者:恒川 光太郎
アライバルアライバル
アングレーム国際コミック・フェスティバル最優秀作品賞受賞作品。大人向け絵本というか、グラフィック・ノベル(文章をいっさい入れずに描かれた作品)というジャンルらしい。巨大なツタに街を襲われ、妻と娘を残して船に乗り見知らぬ土地へ新たな生活を求めてやって来た男の話。たどり着いた街は幻想的な風景と、不思議な生物が共存していた。緻密で繊細かつ柔らかいモノクロの世界。エッシャーの騙し絵の中に取り込まれてしまったような不思議な感覚と共に、何故か温かい気持ちになる。
読了日:04月29日 著者:ショーン・タン

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
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